白黒映画『ニュールンベルグ裁判』のレビュー。

ずっと以前になんとなく録画してあった『ニュールンベルグ裁判』を見た。

いわゆる古き白黒映画の名作なのではないだろうか。
みんな演技が上手いし、脚本も色々と上手い。
3時間ものなのだが長さを感じずに見る事が出来た。素晴らしい。

HD放送時代になって一番恩恵があるのはこういう古き名作かもしれないね。こういうタイトルはBDとかでは簡単には出ないでしょ。


この映画は第二次世界大戦ナチスを捌く軍事裁判なのだが、史実とは違い当時の判事を被告人として設定している。

被告人は反ナチスな人々に大して断種処置やら死刑やらを言い渡してきた。

どこの国でもその国の法律に沿って裁くのだから国法が歪んでいれば裁きも歪む。
 ※歪むを通り越しして形骸化した”手続き”に成り下がっていたわけだが。

歪んだ国状に沿うゆえに不当な判決を下す事は犯罪か?
それとも末端に罪はなく国を歪めた者にのみ責任があるのか?


当時はアメリカを初め大国の、強者の勝手がまかり通る時代。
ドイツを推した国もあれば傍観した国もある。彼等に責任はなかったのか? 彼等を罰せずして当事者のみを罰するのか?
まあ個人的には「そりゃ罰していいだろ」とは思うが、同時に保身の為に強者に従わざるを得ないというのもわかる。
自分なら我が身かわいさで流れに乗っちまうだろうしな〜。

国や世論という大きな流れの中では良識を持った人でさえ非道をおかしてしまうと言う、これは一つの悲劇ではあるが、それ以上に恐怖に感じた。


日本だって同盟を組んでいたんだからナチス政策を後押しした罪の一端があると言えなくもないのかもしれない。
まあ当時は日本も天皇万歳、非国民は死ね、人種差別と同程度にクレイジー国家だったんだけどね。
あー、そうか、クレイジー同士だったから同盟なんてできたのか=3

……とかね、こういう映画を見るたびに色々と考えさせられるよ。